夏の森林整備作業のメインは下刈りです。背丈を超える程に育った植林地に、今夏初めて下刈りに入る時などは前方に注意。下ばかり見ながら進むので蜘蛛の巣に気付かずに、しばしば顔に引掛けて"ウヒャー!" 人間はそれで済むけど蜘蛛にとっては大迷惑、大事な狩りの網を台無しにされて死活問題。植林地ではこんな小さな葛藤がそこここに潜んでいるのです。
植林した苗木が小さい時は、雑草に隠れた苗木を伐ってしまわないよう気が抜けない状況。刈払機の刃先を注視して進むばかり。しかし、ここ24号地のようにある程度育ったスギやヒノキの植林地では、刈払う前の雑草の花を眺める余裕も出てきます。
盛夏の植林地では雑草の勢いもすごいけど、苗木に絡みつく蔓(ツル)の成長も半端ではありません。特に太いツルに大きな葉をつけて繁殖力の強い葛(クズ)なんか、あっという間に木全体を覆い隠してしまう程です。それに比べたら可憐で小さな白い花を沢山つけるヘクソカズラなんて可愛いものかもしれない。
この頃になるといつの間にか、大きく育ったスギの苗木に果実が付いているのに気付くことがあります。植林地を囲む大木の影響で日当たりの悪い場所もあり、苗木の成長に差が現れていますが、そんな場所でも雑草は旺盛に繁茂している。花芽が付く前のヤマユリが雑草に囲まれていると気付かずに刈払われてしまうことが多いけど、最近になって赤褐色の斑点がある白い花をつけたヤマユリを整備中の草むらに見かけることが増えたのは、みんなが気を付けて刈払わずに残していてくれるからだろうと思われます。(ks)
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